SCERTSモデルとは、自閉症スペクトラム障害のある人たちの社会コミュニケーションや情動調整の能力を支援するための包括的、学際的アプローチです。“SCERTS”は、社会コミュニケーション(Social Communication)、情動調整(Emotional Regulation)、交流型支援(Transactional Support)の頭文字を並べたもので、SCERTSモデルがこの3つの領域からなることを示しています。SCERTSには以下の特徴があります。
ひとつのフレームワークとガイド
SCERTSモデルは、自閉症スペクトラム障害（ASD）の中核的難題である社会コミュニケーションと情動調整に直接取り組むためのフレームワークを提供します。前言語レベルから会話レベルまでの慣習的、象徴的システムでコミュニケーションする能力を築くことに焦点を当てます。また、情動調整（注意、覚醒状態、情動状態を調整するための自己調整及び相互調整の能力）の発達に焦点を当てます。交流型支援が、対人相互作用や関係性、より生産的な学習経験を促進するために、家庭、学校、地域の様々な場面でデザインされ、実行されます。
子どもの個人差を認める
障害のある子どもやない子どもの発達に関する研究によって導かれる、子どもの長所とニーズに基づいて個別の教育的アプローチを提供します。
家族中心
家族の優先事項やライフスタイルに関して、家庭間の差異を大きく考慮します。家族はアセスメントと教育における協同的なパートナーです。
統合的アプローチ
ASD児の中核的難題に取り組んだり、適応的スキルを高めたりする際に、様々な学問分野の専門家がお互いに、そして家族と協同することを後押しするようにデザインされています。
長年の研究、臨床・教育経験に基づく実践的アプローチ
実証研究や十分な臨床・教育実践に由来する教育方略を組み入れています。
機能的スキルと有意味なアウトカムへの焦点
経過は様々なパートナーとの機能的な活動の中で測定されます。子どもの発達がより広い文脈で認められます。
