2016年1月12日にぎふ発達障害支援ネット主催でランチョンセミナーを行いました。保護者を主な対象としたセミナーは初めてでしたので、何をどこまで伝えようか迷いましたが、アンケートを拝見させていただくと皆さんそれぞれ学びがあったようで安心しております。他の参加者の皆さんがどのような感想をもったかを知り、さらに学びを深めていただければと思います。一部※の後にコメントをさせていただいています。
・SCERTSモデルのエッセンスを分かりやすく聞けてよかった。このような考えが保護者にも広まっていき、学校(教員)⇔保護者の相互交流を通してさらに深まっていけばよいと思いました。(教員)
・今回初めてSCERTSを知りましたが普段私がやっている事、目指している事でABAやTEACCHなどよりしっくりきました。逆模倣、促進的アプローチを意識して過ごしていきたいと思います。各アプローチにこだわり過ぎずに、子どもをよく見ていこうと改めて思えました。構造化についてはすれば良い!と思っていたので、目的をきちんと考えていこうと思いました。本当にありがとうございました。(保護者)
※SCERTSはABAやTEACCHに多くを学んでできていることを補足させていただきます。おそらく、“しっくりきた”のはSCERTSが自閉症をどう捉えるかという哲学と支援の枠組みに整合性があるからなのだと思います。
・療育関係者ですが、目からウロコのような気持ちと肩の荷が降りたような思いでした。もっと深めてサーツモデルの学習がしたいと思います。(福祉関係者)
・親ですが、自分が思っている事と違っていることが多かった。ロッキングやエコラリアなど…。また参加したいです。(保護者)
・知らないことが多かったのでとても勉強になりました。(保護者)
・サーツモデルによって救われる親が多くなるなーと思いました。でもこれは社会全体に普及しないと意味がないことで…先生、発達障害関係者以外へのセミナーもどんどんして頂いて周りの理解が増えていくといいなと思います。(保護者)
・今回、所要で午後のみの参加でしたが、良かったです。午前中の内容も是非聞きたいので、また同じセミナーを企画していただきたいと思います。(保護者)
・SCERTSモデルの基本的な考え方、ASD児の特性を個性としてとらえて支援をしていく方法をわかりやすく教えていただきました。保護者の方の今思っている生の声も聴くことができてとても参考になりました。ありがとうございました。(教員)
・先生のお話をうかがい、SCERTSモデルのエッセンスを知ることができました。小学校で子どもたちと接する時、発達障害を人間の発達の多様性としてみること、指示的アプローチよりも促進的指導アプローチを心がけること、保護者など異なる専門性を重視することなど…たくさんのことを教えていただき、とても有意義な研修でした。ありがとうございました。(教員)
・自閉症教育について支援者として学習させていただきました。情報がいろいろある中で精査していくことが大切だと思います。今回、セミナーでお聞きしたことを生かしながら支援していこうと思います。(福祉関係者)
・SCERTSの存在を初めて知りました。各専門家との連携については日本の体質や制度によりまだまだ難しいかと感じましたが、考え方や支援・指導のあり方として分かりやすく、身近になってほしい方法だと思いました。今後、もっと拡がりがあるとうれしいです。(保護者)
・子どもに合せた勉強方法などあれば…(よいと思います。※講師の推測による補足)。(保護者)
・成長すべき・改善すべき対策をもう少し知りたかった(子どもが小さいため)。行政的な話としては納得した。
※成長を目指すべき中心的なターゲットとしてSCERTSモデルでは社会コミュニケーションと情動調整を挙げています。今回は具体的な発達プロセスについて説明することができず申し訳ありませんでした。(保護者)
・その人なりの幸福(幸せな人生、QOL)は大切だと思います。ただ、私の考える幸せと彼らの感じる幸せはちがうのではないだろうか? 最後の早期介入、問題が起きる前に教えること、人それぞれだと何をもって問題ととらえるかも難しいと感じました。(保護者)
※“幸せ”について、確かにその通りですね。だからこそ支援者中心ではなく、個人中心の実践が必要なのだと思います。問題行動について、何をもって問題とするかというのもその通りですが、自傷、他害を始め社会的に望ましくない行動の生起は、機能的なコミュニケーション行動の獲得と関係があります。問題行動が起きてからそのようなコミュニケーションを教えるのではなく、その前に、早期療育の中で教えていくことが大事だということを補足させていただきます。
・やれることを少しずつやっていきたいと思った。(保護者)
・始めて聞くことが多くて分からないことが多かった。子どもとのかかわり方が今までと違って、教えてもらえたことをとりいれて接していきたいと思いました。(保護者)
・「こんなセミナーがあったらいいな」と考えていたセミナーでした。本当にありがとうございました。(保護者)
・13歳の中学1年生と、2歳の子(グレー)、仕事では加配担当の幼稚園教諭です。今回は保護者と教諭の立場でも聞けてよかったです。内容はとても分かりやく、今日から実践していきたいと思います。仕事でも疑問や不安ばかりで保育していましたが、自分の思っていることは間違ってなかったと分かり、自信が持てましたが、まだまだ勉強不足な所もたくさんあるので、このような機会をまた設けて頂きたいです。その時は、ぜひ参加したいと思います。(保護者、教員)
・娘がやってる行動など、何なんだろー?何か意味あるのかな?って思ってみるだけだったけど、自己調整、相互調整だったんだなー、とお恥ずかしい…初めて知りました。すごく勉強になりました。(保護者)
※情動調整の機能だけでなくコミュニケーションの機能がある可能性もあるということも押さえていただければと思います。いずれにしろ、すべての行動には意味があると思って見てみることで支援のヒントが得られることは多いと思います。
・様々な療育を行ってきて、どれもこちらから指示をして答えてもらうのが多かったので子どもの働きかけに大人側が応じるような形でもOKなんだというところに目からうろこでした。問題行動と思って見ていたロッキングや物を口に入れてしまう行動も情動調整なんだと分かると気持ちが少し楽になりました。(保護者)
※指示的指導アプローチも促進的指導アプローチも連続体で捉えるのが大事です。どちらかが絶対的に良いというものではありませんし、どちらも必要なのだと思います。子どもがより多くのことを学べるアプローチをするために、連続体を想定して、指示をどれだけするかや、子どもの先導にどれだけ応じるかを柔軟に変えていくことが必要だと考えます。情動調整に関しては、その機能があるとしてまずは認めて、社会的に望ましい手段や発達的により高次な手段の獲得を目指して支援をしていく必要があると考えます。
・普段、発達に偏りのある乳幼児さんを中心に療育相談や支援をしております。本日は貴重なお話をありがとうございました。自分が相談や支援へかかわる中で大切にしていること、目標としていること、重複するようなお話もあり、手探りの中で子どもへ向かっている部分もある身としては勇気づけられるような内容のお話でした。今回のご講演を通して、サーツモデルへの興味がわきましたので、私なりに勉強をしていきたいと思いました。本日はありがとうございました。(福祉関係者)
・全体を通じて、とてもためになりました。近頃、夫婦でも息子(4才、ASD?)の成長を目のあたりにしていく中で、アスペルガーでも自閉症でもない、ADHD典型でもない、でも、2才半下の弟とは明らかに違う発達のちぐはぐさを抱える彼に対して、どんな療育が最適なのかとても悩んでいます。最高のアプローチはこれから先長くかかることだと思いますが、本日のおかげで前向きになれたように思うので、がんばります。(保護者)
※決まりきった“最高のアプローチ”というのはおそらくないのだと思います。あるとすれば、それは決まりきったものではなく、子どもを中心にご家族と支援者が互いに尊重し合いながら子どもの成長に合わせて柔軟に対応していくことなのだと思います。
・子どもの発達を障害と捉えず、個性として見てもらえるようもっとこの“SCERTS”を広めていってほしいです。教育現場にももっともっと浸透してほしいです。親も子どもも生きやすい世の中になっていきたいです。親自身が後ろめたい気持ちにならず子育てできる環境を増やしていきたいです。親へのアプローチがとても重要だと思うので知識を高める必要だと思いました。(保護者)
・支援方法の社会コミュニケーション、情動調整、交流型支援の方法がもう少し具体的だとよかったです。自分の子どもにどこかとり入れられるか考えてみたいです。(保護者)
・今回のお話、今後に生かしていきたいと思います。自閉症と分かっていろいろ戸惑うことが多かったので今回、お話を聞いてよかったと思いました。(保護者)
・今回は貴重な講義をいただきありがとうございました。支援学校を卒業された方と共に働く施設で働いていましたので、その中でどのように関わっていけばよいのかとても参考になりました。1人1人個人差があり、その人自身とよく関わって、対処を考えていけたらその方にもよりよい生活が送ることができると思いました。(一般)
・特別支援学級の子どもの保護者です。今日はうれしいアプローチを学ぶことができて本当にありがとうございました。今、子どものすることに対して否定的な言葉を多く聞くことがつらくて仕方がなかったのですが、特に最後の部分は今とても必要な言葉をいただけて心が楽になりました。もっとこの考え方が広まって、みんなでよりよい支援がしていけたらいいなと思います。(保護者)
・言葉さえ知らない“サーツ”について知ることができてよかった。日本の制度は使えないので困るが、少しずつ仲間を増やし、個人尊重の良いところをみんなに分かってほしい。(保護者)
・未経験で放課後デイで働き始めて2ヶ月経ったところです。施設内でも研修や振り返りを行っていますが...上司に勧められて参加しました。とても分かりやすく集中して聞いていられました。日々の活動、子どもを振り返りながら先生の言葉を聞き…うまく表現できませんが、得るものが大きくて出席して良かったなと思いました。貴重なお時間、ありがとうございました。(福祉関係者)
・言葉中心のコミュニケーション療育に対しての批判があったが、自身としては言葉を中心に、その上にコミュニケーションをのせていきたいと思っている。ある程度は厳しく言葉を出す努力をしないと話せないままの子どもが育つ可能性が増えてしまうと思う。(保護者)
※「絵カードを学校でも使ってもらいたいけど、学校の先生が話し言葉を妨げると言って…」という質問に対する応答のことでしょうか…。絵カードを使っても発語は妨げられない、むしろ促されることもあるということは明らかになっていますが、厳しく言葉を出す努力をしないと話せないままの子どもが育つ可能性が増えるということは明らかになっていないということです。そもそも絵カードと音声言語は相互に排他的なものではありません。音声言語とその他の手段の割合や優先度はアプローチによって異なりますが、まさに、子どもの実態や保護者が置く価値、エビデンス、支援者の技能の統合が必要になるところと思います。大事なのはアプローチに子どもを合わせるのではないということです。
・自分の子育てのすべが導かれた。(保護者)
・専門的なSCERTSの説明の中でわかりやすく噛み砕いてお話してくださり、大まかなことが理解できました。自分でも調べて勉強してみたいと思います。ありがとうございました。(福祉関係者)
・サーツの考え方はとても共感でき、勉強になりました。実践してみたいと思います。(保護者)
・今年から放課後デイサービスに勤務することになりました。勉強中です。知識もとても大切な所だと思いますが、それを基に実践に向けてやっていけたらと思いました。アサガオ…とても分かりやすかったです。(福祉関係者)
・文字で読んだら難しいと思われる内容を噛み砕いて説明いただき、ありがとうございました。(一般)
・動画などを取り入れながらでわかりやすかった。途中休憩などもあり聞きやすい時間だった。子どもを変えよう変えようと思ったけれど、そうじゃないと思った。親の考え方次第。子どもの生活しやすい状況を作ってあげ、導いてあげるのが親の役目だと感じた。少し考え方が変わりました。子どもに求めるばかりではなく、自分も一緒になって何か目標を作りたいと思いました。先生が親しみやすかったです。お弁当とてもおいしかったです!!(保護者)
・親が子どもによいと思われるものを選択する必要があると感じた。その色々なアプローチを知っている専門家の人に子どもの成長を見守ってもらいたい。(保護者)
・問題行動の前後の行動も大切だと教えていただきました。子どもだけでなく大人の行動目標も設定していくことが必要だと知りました。子どもの見ているもの、注意しているものに目を向けることの大切さを感じた。(教員、行政職員)
・前半のセミナーしか参加できませんでしたが、“自閉症である前に一人の子どもである”や“問題は単に子どもの中にあるのではない”“子どもの変化に応じて大人も変わらなければならない”など、親として子どものことをまず受け入れて自分も一緒に成長していかなければならないということを改めて気づかせてもらいました。後半のセミナーも是非聴きたかったです。SCERTSについてこれから少しずつ勉強していけたらと思います。(保護者)
・参考になるお話が聞けてよかったです。「サーツ」という言葉を初めて知り、とても気持ちが楽になりました。発達障害というのは一枠でとらえることが難しくて、なかなか周囲に分かってもらえないのでこのような機会をあたえていただいてとてもよかったです。自身は上の子、5才の男の子が現在通級に通っていますが、これからの子育てに取り入れていきたいと思っています。午前中しか参加できないのが残念ですが、またの機会があればぜひ参加したいです。
素敵な会場で皆様のあたたかい雰囲気の中で話をすることができて楽しい時間となりました。ありがとうございました。
ぎふ発達障害支援ネットさんは、今後も様々なテーマで研修を企画していきたいとのことです。SCERTSのような基本的な考え方を押さえておけば、様々なテーマの内容も吟味して、吸収しやすくなるのではないかと考えます。
さらなる発展を祈っております。
(吉田仰希)