A Child with Autism : 自閉症である前にひとりの子どもである。

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SCERTSセミナー@京都 2015

2015年8月8日9日、京都教育大学でセミナーを行いました。3月に鹿児島で行ったセミナーは療育関係者の参加が多かったですが、今回は学校教員の参加が多かったです。鹿児島と同様の内容でしたが、参加者の皆さんからのご質問、ご意見、ご感想が鹿児島のときとは異なるものも多く、改めて学習の交流的原理を実感いたしました。以下、参加者の皆さんに頂いたアンケート結果です。他者の感想を読むことでさらに学びを深めたり、自分の学びを客観視したり相対化したりしていただければと思います。一部、主催者側からのコメントを【※】に書いています。

Q:このセミナーで何を学びましたか?

「サーツの見方と小目的の取り方について少しだけわかった気がしました」
「SCERTSの評価や視点を学べ、臨床の場での支援に生かし方を学べました」
「手段と目的。機能的スキルの発達を支援することの大切さ。どうしてもスキルの獲得ばかりに注目しがちだったので」
「SCERTSとは子どもがより能動的に活動に参加できるようにするための支援を考える枠組みである」
「様々なパターンのスコアリング」
「SCERTSの基本的な考え方や用語について。SAP-Oの付け方。(どれだけ身についたかは別ですが…)」
「初めて参加でき、よかったです。…しかし、何を学んだらいいのか、やっぱり明確ではなかったので、今後の先生方の啓発に期待しています。自分自身正しく学べてない気がします」
「SCERTSについて、自分が本を読むだけでなく、改めて話を聞かせていただいたことは学びになりました。SAP-Oの取り方も勉強になりました」
「SCERTSの基本的な考え方や取り入れ方について。方法論的なものかと思っていましたが、とても包括的で奥が深いもので、驚きました」
「スコアリングを中心に全体的に漠然とSCERTSモデルがどんなものか知ることが出来ました。中でも演習は、やってみないと「わからないことが見えてこない」ということがわかり、大変勉強になりました」
「子どもの行動をしっかり見る大切さを学びました」
「SCERTSモデルのおおよそのことを学びました。本を読む土台が出来たかな」
「SU1.3の”正確に””念入りに”にこだわる(引っかかる)方の意見をお聞きして、サーツの難しさを感じました。私のような知識ない一人の子を見るだけの者は、逆にすんなり理解できたのですが、専門の方はそこに引っかかるのですね。支援者の方のそういったお考えに触れられたことも有意義でした」
「汎用性の高い一つの枠組み。→ それをもとに子どもの育ちや関係者の支援をデザインしていける。そういうSCERTSを学びました」
「SCERTSの概要、三つの領域の内容、実践の難しさ」
「コミュニケーションの重要性については今までも意識していたつもりだが、情動調整についての視点は今回初めて知ることができて、とても新鮮でした」
「まだまだ一つ一つの言葉が難しく、すーっと入ってこなくて本を読み返しなからの参加でしたが、理念から学ばせてもらい、いろんな立場の方とグループになったことで、今まで自分になかった視点や子どもの行動の捉え方をしれてチームでやることのおもしろさがわかった。実際にいろんな立場の方とSAP-Oがとれたらいいなと思いました」
「「子どもの発達に合わせて」と言うことについて。情動とコミュニケーションの発達について、自分がわかっていなかったということがわかりました。学校現場ではこの視点をもっと入れていく必要があると思いました」
「SCERTSの概念的なこと」
「ワークショップでの演習がとても勉強になりました。理論も大事だし、実際にしてみながらというのも、何回もしてみないとわからないなと思いました」
「自閉症の子たちの支援方法の一つとして学ぶことが出来た」
「アセスメント」
「前回2月の研究会も参加させて頂き、マニュアル本を理解しようと思っていましたがなかなか理解できていない部分もあったので、今回細かくスコアの付け方、考え方や理論についての話が聞けて、自分の中でSCERTSの考え方にだいぶ近づけたという風に思います」
「自閉症を一般的な発達の極端な形というとらえ方は、改めて考えるべき内容でした。また、日頃の巡回の中で机上の発達検査では表せない社会性や言語コミュニケーションの話をするときに困難さを感じていましたが、この研修での「SAP」はアセスメントにとても役立てられる学びでした。三つの領域と段階は日常の機能に即し整理できるものでよい視点を学べたと思います」
「特色の違う学校での実践を経験する中で、どんな内容を学ぶかと言うことよりも、どのように支援し、その時間、日々、...をいかに充実させ、成長発達の糧となるものにしていくこと(それはおのおのの子どもにとって異なる)が大切(そういう視点が必要)なのではと思っていたので、マニュアル化、焦点化した支援になりがちな中で、SCERTSの基本的な考え方はわかりやすかったように感じました」
「いろいろ学ばせていただきました。用語、基礎的なベースとなる哲学、エビデンスの入り口。基本的な部分から最先端までトータルな話があり、とってもよかった」
「サーツが子ども全体の発達のどこに(何を対象に)アプローチするものかということがずーっと引っかかっていたのですが、「サーツ=通常の課題に参加することを支えるための考え方」つまり、活動そのものの本来の設定・目的(その活動自体がその子にとって意味があるか)とサーツの目的(それをするため・取り組むために必要な力)が平行して存在...と言うニュアンスでしょうか。→そして、活動そのものの設計にもサーツの情動・コミュなどの目的や要素を入れ込むという。正しい行動形成という(実践というより)療育的なイメージになじむ見方や切り込み方なのかなあと言う印象ですかね?」
「子どものアセスメント、見方について詳しく学べたと思います」
「以前、本が出版された直後のセミナーに参加したのですが、事例の提示が全くなかったせいか、よくわからないままに終わった記憶がある。今回は演習まであり、SCERTSの概要とアセスメント法がよくわかりました」
「SCERTSの基礎的な内容」
「学習のきっかけ」
「SCERTSの基本理念や価値観を翻訳者の先生に直接お話しいただき、よくわかった。スコアリング実習で項目と基準についてよくわかった。項目の言葉にとらわれるのではなく、その項目がどこにあるかの意味(たとえばSUのなかのもの)に立ち返って項目を見ていくことに大切さに気づいた」
「SCERTSのスコアリング」
「SCERTSについての考え方から子どものとらえ方やアセスメント、目標の立て方など、新たに活動を計画するのではなく、現状・自然と行われていることにSCERTSの考え方を組み込んでいくことが大切だとわかりました」
「SCERTSモデルの言う「共同注意」の意味、他者を通した学び、三つの伝達意図、学習方略、言語発達における個人差は「連続的である」、SCERTSはエンゲイジメントを支えるためにある、等。今までよく認識・理解していなかった事に対して深めることがたくさんありました」
「子どもの言語コミュニケーション面の評価、見方を学べました」
「一つの言葉においても人それぞれに取り方や意味が違ってくる。そこをきちっと定義しない状態で話をすることは現場でも多くあって、親と自分の間で言葉の意味を共有することを一つ一つ丁寧にしていかなければならないことを学んだ」
「SAPを使って、子どもをどのように観察できるか」
「自閉症、障害の捉えかたについて」

Q:これからの支援に活かせそうな点がありましたか?
「優先目標の設定。活動のデザインの演習が役に立ちました」
「アプローチとアプローチをつなぐための道具としてはよいと思えるが、語用論や言語学との葛藤が生まれないよう、現場的にはもっと易しい文が必要かと思いました」
「現在の職場は様々な職種や経験、知識と共通理解や共有がなかなか難しいですが、SCERTSのアセスメントを使用することで、子どもたちのとらえ方を共有しやすいと思いました。そこから目標を立てた後は、それぞれの知識や経験、専門性も生かしやすいのではないかと感じました」
「日常の中に目標を組み込んでいくこと。情動調整に関すること」
「スコアリングする際の視点」
「SAP-Oの各フォームは、子ども個人の目標設定や支援方法の指標となりそう。行動療法に偏りがちな指導傾向にある同僚に社会コミュニケーションの大切を伝える材料になると考える」
「まず個別の指導計画、自立活動の目標設定でとりいれてみるのは?というお話は、やってみようという気になりました(それなら出来る...かも、と)」
「アセスメントの視点。とくに情動調整という視点は意識していきたいです」
「特にアセスメントについて、子どもたちをアセスメントすることは多くあっても、自分たちの反省する手段があまりなかった。気づきにくいことが多かったので、まずはここから生かしていきたいと思っています」
「ビデオを撮ってSAP-Oを実際してみようと思います」
「子どもの実態のとらえ方、支援の考え方について、ヒントが多くあると思います」
「小学校へ行き始めてからスキルアップを重視しがちでしたが、生活の原点にもどってもっと丁寧に子どもに合わせて関わっていきたいと思えました」
「アセスメントや支援の方向性の検討に生かしたい」
「情動調整について」
「アセスメントの各項目がそのまま支援内容となるので、アセスメント実施の高いモチベーションになります。内容の理解は完全ではありませんが、早速息子への評価を始めたいと思います」
「二学期からSAP-Oをとるので、その準備がしっかり出来たかなぁと思います。アメリカの学校の紹介も日本の学校と違って参考に出来そうなことがいくつかありました」
「子どもを見るときの視点として、アセスメント項目を活用できると思います。チームで対応するという点」
「現場から離れているので、今すぐにはありません。将来的にはあると思います」
「子どもを見るときの視点の大切なところがたくさんあるので、SCERTSの勉強は楽しいです」
「SAP-Oを実施するとき、演習でやったことを生かしていけたらと思います」
「まだわかりません。アセスメントが大変そう」
「自閉症児と捉えるのではなく、一人の子どもとして捉える視点」
「こちら側がさせようとすることにいっぱいいっぱいにならず、「促進的指導アプローチ」の考え方で「今子どもが注意を払っているものに視線を向ける」「子どもの行動の意図を認める」」
「複数場面で見ることの大切さ。出来る出来ないだけで見ずに、芽生えとして、これからの優先の発達課題として捉える」
「保育園(自社の約160園)をまわり、保育士と巡回相談をしていますので、まさに日常の活動にアプローチし、いかに参加を促すかというところは、すべてが活かせる視点でした。療育でも園との連携を(自社内なので)大事にしています。家庭も含めて考えていける、その基となる考え方を学べました」
「情動調整の領域で自己調整だけでなく相互調整という視点で目標設定することについては、今後考えていく視点にしたいと思いました」
「ビデオの活用です。保護者として家の様子を撮影してシェアしていきたいです」
「アセスメント項目の理解です。項目=目標だと思っていなかったです。よくよく理解して、保護者から学校へ共有していきたいと思います。親として、何を目標にすべきか手立てが今までなかったので」
「改めて、子どもが発信している姿を見つけたりするきっかけにはなると思いました。(ビデオを見てともに同じ軸で検討するという方法論)。共同してアセスメントするときに一つの方略として」
「子どもを丁寧にアセスメントし、次のステップ(目標)を考えるときに使っていきたいと思いました」
「活かせると思う」
「児童を見る視点が広がった」
「ゼロではないが、即には難しい。他の先生の理解を得ないといけないので」
「実践しながら一層理解できたらと思います」
「子どもの実態把握と支援の立て方。でも、理解と実施に時間が必要だからキラワレソウ」
「アセスメント項目そのものが目標になるということでチェックしてみようと思いました。また、アセスメント項目から発達の道筋もつかめるかなと思いました」
「2巻の実践例を読んで、優先目標の選定を今一度見直したいと思います。(目標のリンク)」
「子どもの言語、コミュニケーションの評価、見方を学べた。個人的には有用でしたが、医療主体で進めるのは難しいシステムかなと思います」
「アセスメントの視点としてSAPを用いてみたい」
Q:もっと深く学びたい内容はありますか?
「困難事例の紹介 多動、共同注意が少ない(自己刺激・感覚遊び)、こだわり、スケジュールの変更での混乱etc.」
「活動計画の演習」
「子どもの目標-パートナーの目標の設定…切り離して考えられないので」
「実際に他の職員への伝えたかたや、保護者との共有など、具体的な利用例なども聞いてみたかったです」
「サーツモデルをしている実践例。日本においてどのようにチームを組んで進めているか」
「支援項目からの具体的な実践例」
「コミュニケーションの発達段階と発達を促す支援方法」
「いろいろなケースを知り、利用や導入の仕方について」
「SCERTSの具体的実践例についてもっと知りたいです」
「私事ですが、まだ項目を理解していないので、項目理解をしていく必要を感じました」
「SCERTSの開発の背景で述べられていたNRCの様々な結論。さらっと述べられていましたが、一つ一つじっくり考えてみたい」
「交流型支援について」
「情動調整の事例をもっと多く知りたいと思います」
「優先目標の選定がやはり難しかったので、もう少し学びたい」
「スコアリングをしてみましたが、理論がまだよくわかっていないために、判断の迷ったところがありました。理論を自分でまなびなおして再度挑戦したいと思います」
「情動調整について、もっと具体的に学びたいです」
「VTRを見ながらスコアを取るのはとても勉強になりました。教えていただける方がおられて練習できる機会があればありがたいです」
「ビデオ見て演習し、日常に汎化できるように演習を通して学びたい」
「アセスメントの後の取り組み方。他のアプローチ法を知らなくてもできるのでしょうか。たとえばカードを使っての視覚支援など、PECSなど知らなくてもSCERTSのアプローチ法のみで出来るのでしょうか。何となく、結局、他のアプローチ法も勉強したり取り入れたりしなくちゃいけないんじゃないの?」という気がしています」
→【※他のアプローチを知らなくてもSCERTSの交流型支援を実施するだけでも意味があります。しかし、交流型支援をより具体化したり、最適化したりする際に他のアプローチももちろん参考になります。チームに様々なアプローチに精通しているスタッフがそろっていればそれだけ最適な支援を実施できる可能性が高まります】
「SCERTSの理念はとても共感しますが、たとえば促進的指導アプローチができる人材を育てるまでにとても時間がかかると思います。指示的指導アプローチは周囲に理解してもらいやすい。また自分がSAPを使えるようになるまでもなかなか視点に慣れるまでかかるのではと思います。人材育成のところ、自分も含めて、やっていただければと思います」
「小目標を設定することでいかにその目標をクリアするという視点に陥りやすくなるのをいかに活動の充実とその支援をベースにしていけるようにするやり方などあれば聞いてみたいと思いました。SAP-Sumを目標設定に生かす(ステップ6→ステップ7の移行)ところをもう少し具体的に知りたいと思いました」
「交流型支援」
「アセスメント項目の一つ一つ。様々な専門家の手で磨き上げられた項目だと思いますが、目標とするに当たって、なぜやったほうがいいのか、根拠を知った上で納得して取り組みたい」
「学校単位でなくても、国内の学校で取り組まれている実践例を教えていただけるとうれしいです」
「まとめ項目の「幸福感」などはとてもざつな感じがしてしまいました」
「接し方の方」
「交流型支援の「交流」ついて」
「情動調整についてもっと学べると思っていたが、少し違いました。捉えかたはいいが、具体的な支援がないと」
「アセスメントから子どもの成長を見て、実際に目標を立てて関わってみたいと思いました」
「フロー状態を導く実践例、ナラティブ」
「SCERTSモデルの理論、評価尺度の詳細(一つ一つの項目)についてもう少し掘り下げて学んでいきたいと思いました」
「基礎的なことをもう少しじっくり学べたらと思います。SCERTSの理論背景となっていることなどもじっくりと出来ればと思います」
「サーツの全体像を詳しく知りたい。評価項目一つ一つの解釈の仕方を知りたい」
「言語発達理論について」
「全く初めての参加で、十分理解できた自信がないので、基本的なことをもう一度おさらいしたいです」
「いろいろな事例におけるアセスメントとそれに基づく支援目標について」
「情動調整や社会コミュニケーションの、HPでの本のご紹介を楽しみにしています。待っていますので、よろしくお願いします」
→【※現在作成中です。少しお時間ください。とりあえず思いつくままにツイッターの方でつぶやいておりますのでそちらもご覧ください】
「家族中心の実践(家庭の中で、特に母親が)について知りたいです。親がどんな関わりをすることで、子どもの力が変わっていくか。それだけでは難しい部分、限界があると思いますが、実際、どんな風に変わっていったかなど、家庭中心の関わりの事例などがしれたらうれしいです。専門家としてではなく、パートナーとして外(学校等)でうまくいったものを専門家が家族に伝えて、家庭で実践しているような」
→【※「家族中心の実践」というのは単に家族が実践するという意味ではなく、実践において家族の考えを尊重しようとする理念や基本原則を意味します。つまり、専門家が行う支援においても「家族中心の実践」は成立します。指示的指導アプローチではない家庭での支援については確かにもっと事例があると良いですね。】
「学校の教育実践に生かすときにどうなるのか。指導そのもののデザインのポイントとそれへのサーツの目標・アプローチのかみ合わせやバランスを知りたい」
→【※SCERTSは他のアプローチに組み入れることができます。他のアプローチは、「学校教育」でも構いません。学校の教育目標や教育課程によってSCERTSのどの部分をどこまで取り入れるのが適切かは異なると思いますが、SCERTSの多くの基本原則や方法論は、特に自立活動と整合性が高いと考えます。学校で用いる場合、SCERTSを学校に取り入れることを目的にするという発想よりは、SCERTSを自立活動の目標を達成するための手段として位置付ける方がスムーズかもしれません】
「一つ一つの行動には注目して深められるけれども、その項目横断的に見たときのその子の全体像やその子にとっての動機や文脈から切り離されてしまう可能性があるのではと危惧します。(認識、シンボル、見通し出来る範囲と実行力は関連し合っていると思うので)行動で見ていく、細かく分けてみるときにはいつも出てくる弱点かと思いますが、そこへのフォローは何かありますか。→ 質問させてもらいました。→ 日本の先生たちの「良識」とか「直感」と呼ばれていたそのことを、ある意味位置づけたり意味づけたりすることに自分は興味があるので....。逆方向からのアプローチと言うことから来る違和感なのでしょうか」
→【※SCERTSは「全体は部分の総和より大きい」(1巻p.8)ことを認めており、そこをSCERTSの特徴の一つだとしています。確かに、分析―全体の連続体を想定した時、日本の先生たちの「良識」とか「直感」と呼ばれているものに比べると、分析的な見方の方に位置づくと思いますが、子どもを全体的に捉えようとする立場を否定しているわけでなはく、むしろ支持しています。立場によってSCERTSの位置づけが変わることに気づかせてくれる面白い感想をありがとうございます。自分や他者の立場を相対化してくれるのもSCERTSの意義の一つだと考えています】
その他感想
「スコアリング演習よかったです。ウェイトがやや多いと思いました「木を見て森を見ず」になるとSCERTSが伝わらなくなる(?)気がしたのですが。SCERTSの理念については、自閉児の特性(得意不得意)や困り感に言及しながら、各領域の説明がされると説得力があると思いました(自閉教育の入り口の方もわかりやすい)。アセスメントを別冊にしたら読んでみようと思えます(分厚いのが)」
「目標選択をどう見るのかという演習(一日目)が中途で終わったので、これを実は中心に見たかったと思いました。そうすると、どこを見るべきかわかってきたのではないかと思いました」
「職場や関連施設にてセミナーを開いてもらいたいと思いました」
→【※お呼び頂ければどこへでも行きます。チーム全員がSCERTSの理念を共有できれば連携が深まると思います】
「質問に丁寧に対応していただき、ありがとうございました。SCERTSの良さをより知ることができるように事例を知りたい」
「セミナーで集められたQ&Aのようなものをホームページで後日見られるようにしてくださると助かると思いました」
→【※アイディアありがとうございます。よくある質問に関してはHPに掲載していきたいと思います】
「各地のSCERTSのセミナー予定などをホームページで共有して(年間予定として)お知らせいただけるといいなーと思いました」
→【※まだ手探りの状況で、年間を通しての計画は立てられておりません。申し訳ありません。確かにご意見の通りの方が参加者にとっては参加しやすくなると思いますのでできるだけ計画を早くに立て情報提供していきたいと思います】
「参加前は内容が理解できるか不安でしたが、わかりやすく説明してくださっておかげで、あの本に書いてあったのはこういうことだったのかと思えることがたくさんあって、参加してよかったと思いました。サーツのおもしろさ(といってしまっていいのかな)も難しさもよくわかりました」
「今後も継続的に京都での開催を望みます」
「実践で使用するために、マニュアルと実践をつなぐ本を出してください」
→【※実践をしやすくするため、簡単に読めるものを出してほしいということはアメリカでもよく言われるとのことです。プリザント先生たちが出さない限りはSCERTSを全面に出した本を出版することはできません。】
「学習指導要領(自立活動)とSCERTSの関連する資料があれば、HPとかにアップでも....と思います」
→【※9月の特殊教育学会で「自立活動とSCERTS」について自主シンポジウムをする予定です。終了したら資料を一部HPにアップします】
「3人の先生お疲れ様でした。セミナーやってくださって有り難うございます。そして専門家以外の参加をOKにしていただいて感謝です。いろいろ学ばせていただいて、もうあとは実践ですが、関係者にサーツの話をするのが大変なので、勉強会とかやりたいです。ご相談させていただくかもしれません。よろしくお願いします。ちなみに最初ティーチやABAについて知り、一つ一つだけの限界を知ってサーツに惹かれて、サーツを学び、サーツの枠組み、アセスメントをして、またティーチやABAなど個別の手法を実践していくことになるんだなーと思いました。結局戻っているんだけど、サーツを踏まえるか踏まえないかで全然違うなと思います。しかし、すごい勉強しないといけませんね。やっぱ一人じゃムリだ」
「2~3年間に筑波大学の文京キャンパスでも一度研修を受けました。そのときは全くの0の状態で学んだのでよくわからないままでした。しかし、今日再度研修をうけることで、より理解することが出来ました。まだ勤務校の中でもSCERTSをよく知らない人が多いので、これからもっと勉強したいと思います」
「受講料が高くてもよいので、長崎先生の話が聞きたい」
→【※可能な限り参加をお願いしたいと思います】
「質疑の時間が確保されており、いろいろな質問が出て、またそれに対して明快にお答えいただき、充実した内容だった」
「講師に質問した答えが的確でなかったりあいまいだったりするのはテキトウに答えず、本家に確認などして欲しいと思う。笑いはいらないから」
→【※満足していただける回答ができず、申し訳ありませんでした。本家に確認が必要なところは確認し、情報はHP等でアップします】
「本の訳が適切でなく混乱しがち。この状態は学校に導入しようとしたときに他の職員に受け入れられがたい。評価の文言の意味が共有されないとカンファレンス以前に成立しないから」
→【※評価基準の意味をスコアリング前にもっと確認する必要がありました。そこが不十分だったために混乱を招いた部分もあり、反省をしております。誤訳や読み取りにくい箇所につきましてはHPで情報提供していきます】
「準備・企画等お忙しい中本当に有り難うございました。教員以外の他職種の方も参加していて、多くの人、多くの立場の人にSCERTSの考えが広まれば、学校教育、そして、特別支援教育も変わると思いました」
「SCERTSについて初めての研修でしたが、勉強になりました。また本を読んでしっかり自分の中に落とし込もうと思います。SCERTSは他の方略やアプローチに排他的ではないとありましたが、本当にこの考え方は重要だと感じました」
「二日間有り難うございました。グループでのワークも子どもの見方を学ぶ機会になり、楽しく学べました」
「マイクを使える会場が出来ればよいですね。SCERTSモデルの特徴、アメリカの紹介等も含めて、充実していてよかったです。二回目も受講したいと思うようにするには、ビデオの内容等少しずつ変える必要があるかもしれませんが。事務局は大変だと思うので、何かお手伝いが出来ればと思いますが。細かい経費がかかっていると思いますので、多少事務局がお金をいただいても(今後の活動費のためにも)よい=4000円でよいのでは。お疲れ様でした。大変有り難うございました。とても充実した会でした」
「本当に質のよいSCERTSモデルの実践者、理解者を広げていきたいと考えておられるのであれば、受講費は高くなってもかまわないで、もっと体系的に理論-評価、実践までみっちりと学べる講習会にすべきだと思います。安易に「知ったつもり」で実践する人(私も含めて)を増やすリスクはないでしょうか。それは結果としてモデルの質を下げるだけだと思いますが。
今回、グループの話し合いや質疑でも話題に上がったのは、使われている語句についてどう解釈・定義するかという点だったかと思います。正しく評価が行われるためは、何をもってそうなるのか(基準)をはっきりさせることが大切だと思います。曖昧なまま解説を終わらせるのではなく、具体例を示してしっかり説明いただきたかったなと思いました。日本で実践が始まったばかりの新しい考え方なのであれは、米国から実践者をまねいて解説を求めるなど、もっと工夫出来る点はあると思います。SCERTSの考え方が私自身魅力的だと思うが故に求めるハードルも高くなってしまったなと思いますが、今後に期待します。今回のセミナーは少し消化不良でした」
→【※ご意見ありがとうございます。SCERTSの内容の豊富さと、参加者の実態が様々な現状からすると、例えば、初級コースと中級コースなどに分けて焦点を絞った研修が必要ではないかと検討中です。モデルの質に関して、モデルの質を下げないためにSCERTSの資格化が必要なのではないかという意見は、アメリカでも日本でも研修を受けた方からよく出されます。しかし、なぜそのような動きにならないかといえば、どういった条件が満たされればSCERTSを実践できる人として認められるのか、SCERTSの内容からして判断が難しいからなのだと思います。そもそも一人で実践することを想定していませんから。パートナー一人一人の限界を認め、チームで協同して、SCERTSの理念に照らして絶えず反省することが必要なのだと思います。まとめますと、モデルの質を確保していくために、完璧なものを完璧に伝えていくことよりも、不完全なものを絶えず反省、検証していくことをしていきたいと思います。そのための勉強会や事例発表の場を引き続き設けていければと思います】
「INREALの研修会にも参加しています。1日目後半~2日目前半にかけて、ビデオを使った具体的評価(アセスメント)が在りましたが、SCERTSではアセスメントそのものの意味がINREALとは違うことはよく理解できます。けれども、一方で、研修会という中では、ビデオの中で、この行動や言語があるからスコアが2であるとか1であるなどの明確な解答がある方が受講者にとってはわかりやすいと思います。また、演習用のビデオについても評価が明確にできるもののほうがわかりやすかったと思います。(自分のつけた)スコアリングがなぜ間違っているのかなど」
→【※ご助言ありがとうございます。映像や評価項目を改善していきたいと思います。】
「一つ一つのことについてすべて説明不足だと思った。伝わりにくかった。SCERTSのすばらしい考え方を広めるためにも、一つ一つの用語の意味をしっかり定義して共通理解にしないといけないと思った。「行動は言語も含む」というのはぴんとこなかったし、場面によって説明の言葉の意味が変わっているように感じた。また、説明が後付けが多くて混乱を招いていた。人それぞれで解釈が違うというのであれば、SAP-Oは使えないではないか。今後に期待します」
→【※確かに、例えば情動調整の方略として「行動方略」と「言語方略」と言う場合は行動に言語は含まれませんが(前シンボルとシンボルの違いに焦点があるため)、会話パートナーの「SU1.2 社会的行動を導くために、パートナーがモデルとして示した行動を使う」は社会的行動の観察学習ができるかに焦点があるため、行動に言語行動も含まれるなど、場面によって同じ「行動」という言葉で内容が変わっています。この辺りの言葉の読み取り方に、背景知識や文脈の影響があることに講師が気付けていなかったことが、うまくお伝えできなかった理由だと思います。ご指摘のおかげで気づくことができました。ありがとうございました】
「内容の豊富さから考えると、もう少し時間を取って一つ一つの項目を丁寧に詳しく話して欲しかった。また、3分間のビデオを使ってよく理解できていない評価項目で討論するのは無意味ではないかと思った」
→【※先述の通り、コース分けをするなどして焦点を絞り、説明に十分な時間を取れるようにしたいと思います。事前に評価項目の意味を十分に確認し、意味あるものにしたいと思います】
「スコアリング実習はとても勉強になりました。ただ扱うスコアリング項目、用いるビデオ映像の吟味をして、今後初心者の方でも取り組みやすくされれば、よいのかなと思いました」
「スコアリング演習で、それぞれの事例を持ち寄れるとよいのではと思います」
「いろんな職種の方と知り合えてよかったです。今日学んだことを復習して、二学期からの実践に生かしたいです。有り難うございました」
「こちらの反応を細やかに見ていただきながら講義をしていただきました。SCERTSの枠組みでいろいろなことを整理していけると、自分のこれからの教育に生かしていけると思いました」
「グループワークが二日間あったので、何度も一緒に話し合うことが出来て。他の学校の様子なども聞けてよかったです」
「参加者名簿は、アンケート用紙とは別に欲しい」
→【※個人情報を回収するためアンケートの裏面にしています。ご理解ください】
「ワークショップは実践できてよかったです。席の配置が少し遠かったので、もう少し、グループがまとまって出来るような環境だとやりやすかったかなと思います」
「会社に持ち帰り、チーム内で共有したいと思います。有り難うございました。全園に対し「気になるお子さん」のどういうところが気になるのかのアンケートを数年採り、発表もしてきました。その視点や側面をSCERTSのほうから考えて取ってもおもしろいと思いました。現場の保育士さんが気になる点というのは、やはり情動調整や言語面から等、実生活で捉えるので、心理面から捉えるよりわかりやすく、より支援に結びつくと思いました」
「非常に大切な考え方であり、二日間では学びきれないこともたくさんあったので、今後さらに深く学ぶことができればと思いますが、フォーマット化したりすることで観察(アセスメント)や評価が焦点化しやすくなり、子どもの発達を包括的に捉え促すという視点が見失いがちになるという点を、結局は教師自身が実践の場で気をつけ、気づいていかなければいけないのだと改めて思いました。子どもは周りの人と一緒に成長発達するのだと思います」

その他、多くの感謝や労いのことばを頂きました。ありがとうございました。ご意見をもとに改善に努めていきますので今後ともよろしくお願いします。

(SCERTS研究会:吉田仰希)

SCERTSセミナー@きりしま子ども発達支援センター

2015年3月21、22日、鹿児島県霧島市のきりしま子ども発達支援センターで2日間のセミナーを行いました。参加者は同センターのスタッフと近隣の療育関係者が中心でしたが、他県からの参加、また、保護者の方の参加もありました。

セミナーでは、SCERTSの背景、概要、特徴の解説や実際に映像を見てのアセスメント演習を行いました。
2015032120150322

↑ 会場の様子(1枚目:講義の様子、2枚目スコアリング演習の様子)
↓ 講義スライド(例)

スライド4 スライド1 スライド2 スライド3

 

参加者の感想をいくつか紹介させていただきます。

Q:このセミナーで何を学びましたか?
「いろいろな考え方、支援方法を一人一人に合わせて行わないといけないということを改めて考えさせられた」
「SCERTSの柱である社会コミュニケーション、情動調整、交流型支援で自閉症児を考えていくのはとてもおもしろかったです。また、包括的に考えていくのはわかりやすかったです」
「支援者、子どもの両者の相互作用をふまえたアセスメント」
「それぞれの療育ではなくチームを組んで療育していくことの必要性」
「自閉症児の親の立場で参加しました。日常のルーティンの中での支援を重視するSCERTSモデルは親の立場から子どもに接する指針となります」
「お子さんやご家族の方々と関わる時の細やかな視点をたくさん教えていただきました」
「能動的に活動に参加することが発達を促進していくということ」
「ASD児の療育方法論の情報の乱用が目立ってきている現状の中で子どもを一人の人間として成長を支える包括的なフレームワークを学べて良かったです。子どもを支援者の得意な支援ツールにあてはめて指導、支援してはいけないことを改めて感じました」
「自閉症児にとって、自発的に自然な文脈の中で活動できるように支援する為に子どもに関わる全ての人が対象となり、サポートしていくことの大切さを改めて感じました」
「自然な療育場面でのアプローチ法は今まで実践することが少なかった為、今回はスコアリングも学べ、とても参考になりました」
「生活をデザインしていく上での必要な観点と様々な支援法との柔軟な使用など改めて目的を考えさせられる研修でした」
「子どもを見る視点が広がったように感じます。また、他職種との連携の大切さも改めて感じたのでより一層大事にしていきたいと思いました」
Q:これからの支援に活かせそうな点がありましたか?
「チームアプローチのツールとして利用できそう」
「アセスメント機能と指導内容の両側面を示しているSAP-Oフォーム」
「情動調整のことをもっと細かくみていきたいと思いました」
「学校生活の日常活動にSCERTSを取り入れることで、授業の質が改善すると思いました」
「発達段階にそった情動調整の方略」
「SAP-Oフォームを使用した支援者同士の連携」
「自分の支援を見直す機会となりました」
「共同注意や情動調整を促していく関わり方」
「子どもの様子だけでなく、支援者側の課題が明確になることで多職種の方々の共通認識が生まれ、統一した援助ができると考えました」
「SCERTSの理論は子どもの相談支援事業のケアプランを立てるマネージャーが知っていると家族中心のケアプランをたてられるのではないかと思います。」
「支援者側の評価ができるのはすごくいいと思いました」
「情動調整の視覚支援を活かそうと思います」
「現在、社会パートナー段階の自閉症児を担当しています。今までの療育は行動療法でのアプローチを行っていたので、今後はSCERTSの項目なども取り入れ、視覚的なアプローチも取り入れていきたいです」
「SAP-Oを自分で使ったりすることは難しいので勉強会に参加しながら知識を増やしていきたいと思います」
「1人の利用者さんを支援するのにパートナー(支援者)への目標もあり、すごいなーと思いますし、何をしなければならないのかと考えやすいし、取り組みやすいなと思いました」
「SCERTSモデルを使って親へ説明することで、自分も保護者もよりその子を理解して関われいくのではと思います」
その他
「グループディスカッションをすることで、様々なメンバーの意見を聞くことができ、貴重なセミナーとなりました」
「ビデオのグループミーティングがたくさんできて、とても実践的で良かったです」
「グループで話し合うことで自分の気付かなかった視点、考え方を知ることができ、よかったです」
「とても分かりやすい解説とスライドで本を読んだだけでは理解できなかった事が少しずつ理解できたと思います」

 

企画、運営していただいたきりしま子ども発達支援センターは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、保育士、臨床心理士、看護師が子どものニーズに応じて療育を行っています。

SCERTSは、様々な分野の知識・技術を尊重し、チームアプローチとして最も機能するようにデザインされています。様々な専門スタッフが働いている同センターは、パワフルな施設長さんを中心としたもともと素晴らしいチームですが、SCERTSをみんなが学んだことでさらなるチームアプローチ、トランザクション、エンゲージの促進につながれば幸いです。企画と運営に深く感謝するとともに、さらなる発展を心から期待しています。

(SCERTS研究会:吉田仰希)

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